
宝石の加工や処理
■宝石とは何か
岩石の中で資源として利用されるものを鉱石、宝飾品として利用される鉱物や岩石の中で特に価値の高いものを宝石と呼んでいます。宝石の原石の事を英語でジェムストーンといい、それにカットや研磨などの加工を施したものが一般的な宝石です。
宝石に求められる条件は美しさと希少性、耐久性などです。美しさについてはそれぞれの国によっても好まれる宝石や価値の基準が違います。希少性の高いものは珍重され高い価値がつきます。また宝石の生産量の減少等によって急に価値の上がる宝石も少なくありません。耐久性については身につけて使う以上一定の頑丈さが必要であり、価値のある宝石は代々受け継がれるという意味でも耐久性は必要です。
■宝石のトリートメント(加工や処理)
宝石には何らかの加工や処理を施します。加工なしで原石のまま宝石になるものはあまりありません。カッティングする事以外にも、色や透明度、インクルージョン(内包物)など、天然のままの石には問題も多くあるため人工的な処理を施すのが一般的であり通例です。石のカットや研磨以外の宝石をより美しく見せるために行う処理が「宝石のトリートメント」です。例えばダイヤモンドでは内部の黒いインクルージョンを取り去るのにレーザー照射を行ったり、またレーザーで穴を開け、その穴をダイヤモンドの屈折率に近い物質で埋める処理をする事もあります。色の改善という点では潜在的に色を変える要素を持っている石の場合には、加熱処理をしたり、放射線照射をしたりして色を安定させたり変色させたりします。これらはアメジストやトパーズ、ルビー、サファイア、ダイヤモンドといった宝石になされます。白や茶色のトパーズに熱を加え放射線照射を行うと、人気の高い色鮮やかなブルートパーズになります。エメラルドは内部にフラクチャー(天然のキズ)の多い宝石のため、エメラルドの屈折率に近いオイルや樹脂を含浸させる処理が一般的に行われています。
硬度の低いターコイズも耐久性を上げるため含浸処理を施すのが通例です。
宝石の主なトリートメント
処理
宝石の主なトリートメント
宝石